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WACC(加重平均資本コスト)の求め方とその重要性

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「WACCって何?調べ方がわからなくてモヤモヤしてる…」そんなあなた。WACC(加重平均資本コスト)は、企業のお金のコストを表す数字で、投資やビジネスの判断に超役立つもの。でも、専門用語や計算に尻込みしちゃいますよね。この記事では「どこからデータを取るの?」「どうやって計算するの?」をゼロからステップ別に解説。さらに、「調べた後どう使うの?」まで具体例付きで解説しました。株や借金のコストをサクッと理解して、賢い選択につなげたいなら必見。さあ、一緒にWACCをマスターして、自信を持って次の一歩を踏み出しましょう!

目次

WACCを求めるには?まずは基本を押さえよう

WACCの定義とその役割

WACC(Weighted Average Cost of Capital)は、日本語で「加重平均資本コスト」と呼ばれるもので、簡単に言うと「企業がお金を借りたり集めたりするのにかかるコストの平均値」です。企業は事業を動かすために、銀行からの借金(負債)や株主からのお金(株式)を使いますよね。その資金にはそれぞれコストがかかるんですが、WACCはその両方を「加重平均」でまとめた数字なんです。


たとえば、借金の利息が年5%、株主が期待するリターンが年10%だとします。WACCは、これらを企業の資金構成(借金と株式の割合)に応じて計算した「総合的なコスト」。この数字を知ることで、企業がどれくらいのコストで資金を調達しているのかが一目でわかるんです。投資家や経営者にとっては、会社の「お金の効率」を測る大事な指標なのです。

なぜWACCを求める必要があるのか?

「WACCって、わざわざ調べる必要あるの?」と思う人も多いかもしれません。でも実は、これを知ることはビジネスの意思決定や投資判断で超重要なんです。

なぜかというと、WACCは「企業が新しいプロジェクトや投資をする価値があるか」を判断する基準になるから。
たとえば、新しい工場を建てるプロジェクトがあって、期待収益率が8%だとします。一方でWACCが10%だったらどうでしょう?この場合、プロジェクトの収益が資金コストを下回るので、やらない方が賢明ですよね。逆にWACCより高い収益が見込めるなら、GOサインを出してもOK。こんな風に、WACCを調べることで「儲かるか損するか」のラインが見えてくるんです。

株式投資でもこの考え方が重要になってきます。


投資家なら「この会社に投資して大丈夫か」を判断する目安にもなりますし、経営者なら「お金をどうやって集めるのがベストか」を考えるヒントにもなる。調べる手間をかける価値がありますよね。

WACCがビジネスに与える影響

WACCがビジネスに与える影響は、実はとても大きいんです。まず、WACCが低い企業は資金を安く調達できるので、新しい事業や成長への投資がしやすくなります。

たとえば、WACCが5%の会社は、5%以上のリターンを出せれば利益が出るわけですから、攻めの経営がしやすいんです。
逆にWACCが高いと、資金コストが重荷になって「儲かるプロジェクト」が限られてきます。たとえば、金利が高い時期に借金が多い企業はWACCが跳ね上がり、競争力が落ちることもあります。これは投資家にとっても要注意ポイントで、WACCが高い企業はリスクが高いと見なされがちです。

さらに、WACCは企業価値を計算する「DCF法(割引キャッシュフロー法)」でもキーになる数字。WACCが1%変わるだけで、企業の評価額が何億円も変わるなんてこともあるんですよ。つまり、WACCを理解することは、ビジネスの「今」と「未来」を見通す力に繋がっていくということです。

DCF法については別の記事にまとめているので、そちらを参考にしてください。

WACCを求めるための準備

必要なデータとその入手方法

WACCを調べるには、まず「計算に使うデータ」を揃える必要があります。でも、「何が必要で、どこから取ればいいの?」と迷う人も多いですよね。

基本的には以下の4つが揃えばOKです。

WACCを求めるために必要なもの
  • 株主資本コスト(rE):株主が期待するリターン率
  • 負債コスト(rD):借金の利息コスト
  • 資本構成(EとDの割合):企業が株式と借金のどちらをどれくらい使っているか
  • 税率(T):利息の節税効果を計算するために必要
  • β値:TOPIXに対する株価変動率

これらのデータ、実は企業の公開情報から取れるんですよ。例えば、上場企業なら決算短信や有価証券報告書に載っています。会社の公式サイトのIR(投資家向け情報)ページをチェックすればPDFで手に入ります。また、Yahoo!ファイナンスや楽天証券みたいなサイトでも、株価データや負債額の概要が見られるので便利です。最初は「探すの大変そう」と思うかもしれませんが、慣れれば10分くらいで揃えることができます。

個人的に利用しているサイトも紹介しておきます。

WACCを計算するために使用しているサイトまとめ

株主資本コストと負債コストの違い

WACCを調べる前に、「株主資本コスト(rE)」と「負債コスト(rD)」の違いを押さえておくと計算がグッと楽になります。この2つ、似てるようで全然違います。

まず株主資本コストは、株主が「投資したお金に対してどれくらいのリターンを期待するか」の数字。例えば、「年10%儲けてほしい」と株主が思えば、それがrEです。これはリスクが高い分、負債コストより高めになることが多いですね。一方、負債コストは、銀行や債権者に払う利息のコスト。たとえば、銀行から年3%の金利で借りてたら、それがrD。こっちは「約束された支払い」なので、リスクが低く、コストも低めです。

大きな違いは「リスク」と「税金」。株主資本は企業が儲からなくても保証がないけど、負債は払う義務がある。そして、利息は税金で控除される(節税効果がある)けど、株主への配当はされない。この違いがWACCの計算にどう影響するか、次のステップで説明していきます。

関連用語(β、CAPM、実効税率など)の簡単解説

WACCを調べる時、「β(ベータ)」「CAPM」「実効税率」なんて言葉が出てきて「何これ?」って焦る人もいるはず。以下に簡単な説明しておきます。

関連用語
  • β(ベータ):株のリスクを測る数字。市場全体の動き(例えば日経平均)と比べて、株価がどれくらい変動しやすいかを表します。βが1なら市場と同じ、1.5なら市場より動きが激しい、みたいな感じ。Yahoo!ファイナンスとかで企業のβ値が見られます。
  • CAPM(資本資産価格モデル):株主資本コスト(rE)を計算する公式。簡単に言うと「リスクフリー金利+β×市場のリスクプレミアム」で求めます。リスクフリー金利は国債利回り(約0~1%)、市場リスクプレミアムは5~7%くらいが目安です。
  • 実効税率:企業が実際に払う税金の割合。利息の節税効果を計算するのに使うので、決算書から「税引前利益」と「法人税額」をチェックして割合を出します。


これらを知らなくてもWACCは計算できますが、理解すると「なぜこの数字になるのか」がクリアになってきます。

WACCの求め方:ステップごとの計算手順

株主資本コスト(rE)の調べ方と計算

株主資本コスト(rE)は、株主が「投資したお金でどれくらい儲けたいか」を表す数字。調べ方は「CAPM(資本資産価格モデル)」を使うのが一般的です。

計算式はこれ

rE = リスクフリー金利 + β × 市場リスクプレミアム(Er-Rf)

  • リスクフリー金利(Rf):安全な投資の利回りで、日本の10年国債利回り(たとえば0.1~1%)
  • β(ベータ):企業の株価が市場と比べてどれくらい動くか。資本コストで簡単に調べることができます。
  • 市場リスクプレミアム:市場全体のリターンからリスクフリー金利を引いたもの(Er-Rf)。日本だと5~7%が目安。

Erは期待収益率のこと。このくらいあったらいいなぁというリターン率です。

たとえば、リスクフリー金利0.5%、βが1.2、市場リスクプレミアム6%なら、rE = 0.5 + 1.2 × 6 = 7.7%。これで株主が期待するリターンがわかるわけです。数字さえ揃えば計算は簡単です。

負債コスト(rD)の調べ方と節税効果の考慮

負債コスト(rD)は、企業が借金に払う利息のコスト。調べ方はシンプルで、企業の借入金利をチェックします。たとえば、有価証券報告書に「平均借入金利3%」と書いてあれば、それがrD。でも、ここで大事なのが節税効果。利息は税金で控除されるので、実質的なコストは下がります。

計算は

rD(税引き後) = rD × (1 – 税率)

税率が30%なら、rDが3%の場合、3 × (1 – 0.3) = 2.1%になります。もし金利がわからない時は、企業の社債利回り(例えば「トヨタ 社債 2.5%」)をネットで調べて代用してもOK。節税を入れるとコストが現実的になるので、忘れずに計算しましょう。

個人的にはIRバンクのデータから負債コストを計算、税率は約30%で計算しています。

負債コストは、IRバンクから支払利息÷有利子負債で計算しています。

資本構成(EとD)の求め方

WACCでは「株主資本(E)」と「負債(D)」の割合が超重要。これが「資本構成」です。求め方は、企業の総資本(E + D)に対するそれぞれの比率を出すだけ。

株主資本(E):IRバンクの「資本」から入手。

有利子負債(D):IRバンクや銘柄スカウターから入手。


たとえば、Eが800億円、Dが200億円なら、総資本は1000億円。

Eの割合 = 800 ÷ 1000 = 0.8(80%)

Dの割合 = 200 ÷ 1000 = 0.2(20%)

これで「企業がどれくらい株と借金に頼ってるか」が見えてきます。

WACC計算式に当てはめてみる

いよいよWACCを計算です。

WACC = (E ÷ (E + D)) × rE + (D ÷ (E + D)) × rD × (1 – T)

具体例でやってみましょう。さっきのデータを使うと

  • Eの割合 = 0.8、rE = 7.7%
  • Dの割合 = 0.2、rD(税引き後) = 2.1%

WACC = (0.8 × 7.7) + (0.2 × 2.1) = 6.16 + 0.42 = 6.58%

これで完成です。この企業は資金を6.58%のコストで調達してるということが分かりました。計算してみると「意外と簡単じゃん!」って感じませんか?

あらかじめエクセルなどに式を入れておくと計算がすぐできるので便利です。

WACCを求めた後の活用方法

投資判断にどう活かすか

WACCを調べた後、一番身近な活用法は「投資判断」です。簡単に言うと、「この企業にお金を入れる価値があるか」をWACCで測れるということです。方法は簡単で、WACCを「基準線」にして、企業の収益率と比べるだけ。


たとえば、WACCが6%の企業があって、新しいプロジェクトの期待収益率が8%だとします。この場合、収益率がWACCを上回るので「投資しても利益が出そう!」と判断できます。逆に収益率が5%なら、WACC以下なので「損するかも」と見送りのサイン。投資家なら、WACCが低い企業(資金コストが安い=効率的)を選ぶ目安にもなります。

たとえば、WACCが4%の企業Aと10%の企業Bなら、Aの方がリスクが低そうと感じませんか?WACCをチェックすれば、「儲かる可能性」を数字で冷静に見極められるようになります。

企業価値評価(DCF法)への応用

WACCを調べたもう一つの大きな活用法は、「企業価値評価」です。特に「DCF法(割引キャッシュフロー法)」でWACCが大活躍します。DCF法って何?って思うかもしれませんが、簡単に言うと「将来のキャッシュフローを今のお金の価値に直して、企業全体の値段を出す」方法です。


ここでWACCが「割引率」として使われます。たとえば、ある企業が毎年10億円のキャッシュフローを5年間生み出すとします。WACCが5%なら、将来の10億円を「今いくら価値があるか」に変換する計算をするんです。

1年後の10億円 ÷ (1 + 0.05) = 約9.52億円

2年後の10億円 ÷ (1 + 0.05)² = 約9.07億円

これを合計して企業価値を出すんですが、WACCが変わると結果がガラッと変わる。WACCが1%上がるだけで評価額が何億円も下がることもあります。投資やM&Aで「この会社いくらで買うべきか?」を決める時に、WACCが鍵を握るっているわけです。

WACCを下げるための戦略とは

「WACCを調べたけど、高すぎる!」という場合、どうすればいいのでしょうか。それが「WACCを下げる戦略」です。WACCが低い方が資金コストが安くなり、企業は成長しやすくなるので、経営者ならぜひ考えたいところ。方法は大きく2つあります。

・負債をうまく使う:借金のコスト(rD)は株主資本コスト(rE)より低いし、利息の節税効果もある。たとえば、WACCが8%で負債比率が20%の企業が、負債を40%に増やしたら、節税込みでWACCが7%に下がるかも。ただし、借金が増えるとリスクも上がるのでバランスが大事。

・株主資本コストを抑える:β(リスク)を減らすために、事業の安定性を高める。例えば、変動の激しい新規事業より、安定収益の基盤を強化すると株主の期待リターンが下がり、rEが低くなる可能性があります。

WACCの求め方のまとめ

WACCは「資金コストの見える化ツール」。調べ方はデータ収集→計算→活用の流れで、慣れれば簡単です。投資やビジネスで「賢い選択」をしたいなら、WACCを味方にしてみてはかがでしょうか?

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この記事を書いた人

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