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野村證券の手数料は高すぎる?主要ネット証券との違いを比較

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野村證券の手数料は高すぎると言われていますが、個人的にはメインの証券会社として使っています。手数料無料がデフォルトのこの時代において、なぜ僕が野村證券を選んでいるのか?

今回はこの記事で紹介していきたいと思います。

今回は国内株式の取引を想定したお話です。

目次

野村證券の手数料が高いと言われる理由

野村證券のような伝統的な総合証券会社の手数料が、ネット証券(例: 楽天証券、SBI証券など)と比べて高い理由は、両者のビジネスモデルや提供するサービスの違いに起因します。以下に、その主な理由を詳しく説明します。

対面サービスのコスト

野村證券は、全国に支店を持ち、顧客との対面営業を重視しています。このサービスには以下のようなコストがかかります。

  • 人件費: 専門のファイナンシャルアドバイザーや営業担当者を雇用し、教育・訓練を行う必要がある。
  • 店舗維持費: 支店やオフィスの賃料、光熱費、設備投資など。
  • 個別対応: 顧客一人ひとりに合わせた資産運用の提案やアフターフォローを行うため、時間とリソースを多く投入。

一方、ネット証券はオンライン完結型で、店舗や人的介在を最小限に抑えているため、こうしたコストが大幅に削減されています。

付加価値サービスの提供

野村證券は、手数料に見合った付加価値を提供することを目指しています。

  • 専門的なアドバイス: 投資初心者や複雑な金融商品を求める顧客に対し、プロのアドバイスを提供。
  • 幅広い商品ラインナップ: ネット証券では扱わないような私募債や海外未公開株、独自の投資信託など。
  • 市場情報: 独自のリサーチレポートやアナリストによる分析を提供。

ネット証券は基本的にセルフサービス型で、投資家自身が情報収集や判断を行う前提のため、こうした付加価値が少ない分、手数料を低く抑えています。

規制対応とコンプライアンス

総合証券会社は、金融庁などの規制当局による厳格な監督下にあり、コンプライアンスやリスク管理に多額の投資が必要です。

  • システム投資: 取引の透明性や顧客保護を確保するためのITインフラ。
  • 法務・監査費用: 不正防止や法令遵守のための体制整備。

ネット証券も同様の規制は受けるものの、シンプルなビジネスモデルにより、これらのコストを相対的に抑えられます。

ブランドと信頼への投資

野村證券は、長年の歴史と信頼性を維持するために、ブランド価値の構築にもコストをかけています。

  • 広告・マーケティング: テレビCMやセミナー開催など、大規模な顧客獲得活動。
  • 顧客基盤の維持: 高齢者や富裕層など、対面での信頼関係を重視する層へのアプローチ。

ネット証券は、主に低コストと利便性を武器にデジタルマーケティングで顧客を獲得するため、こうした費用が少ない傾向にあります。

取引規模とターゲットの違い

野村證券は、大口取引や法人顧客、機関投資家もターゲットにしており、少額取引の手数料が高くても全体の収益に影響が少ない構造です。一方、ネット証券は小口投資家を中心に、低手数料で大量の取引を処理することで利益を確保しています。

野村證券の手数料が高いのは、対面サービスの提供、専門性の高いアドバイス、ブランド維持、規制対応など、ネット証券にはないコストがかかるためです。その分、投資初心者や手厚いサポートを求める顧客にとっては価値があるとされています。一方で、自己判断で低コストを重視する投資家にはネット証券が適していると言えます。

しかし、そのアドバイスのおかげで株で勝てるかは別問題なので、手数料が高い=いいサービスとはならないことに注意が必要です。

基本的な操作でわからないことがあれば、公式サイトからメールやチャットで問い合わせができるので、ネット証券だからと言って、心配はないと思います。

野村證券の手数料は実際どのくらい高いのか?

「野村證券の手数料、高すぎるって聞くけど実際どうなんでしょうか?

ネットで噂されてるほど高いのか、それとも意外と許せる範囲なのか。ここでは、具体的な数字を出しながら、野村證券の手数料の実態を見てみましょう。あなたがどれくらい払うことになるのか、イメージが湧くはずです。

オンライン取引の手数料

野村證券には「店舗取引」と「オンライン取引」の2つのスタイルがありますが、手数料はかなり違います。もちろん、店舗取引の方が高いのですが、基本的にはネットでの注文が基本になると思いますので、オンライン専用支店の手数料を表にまとめておきます。

オンラインサービスでのお取引
1注文の約定代金手数料
~10万円152円
~30万円330円
~50万円524円
~100万円1,048円
~200万円2,095円
~300万円3,143円
~500万円5,238円
~1,000万円10,476円
~2,000万円20,952円
~3,000万円31,429円
~5,000万円41,905円
5,000万円超一律78,571円
オンライン専用支店の手数料から引用

取引金額に対して、およそ0.1%の手数料がかかるイメージでしょうか。

実際に見てみると、そこまで手数料が高いとは言えませんが、頻繁に取引をする人はコストがかさむので気になるのは理解できます。特に、手数料無料が当たり前になりつつあるので、このコストの差は大きいですね。

主要ネット証券(SBI・楽天など)との手数料比較

それでは、他のネット証券と比べるとどうなのでしょう?特に人気のある2大証券会社である、SBI証券・楽天証券と比べてみましょう。

楽天証券には、取引コースが複数ありますが、そのなかで一番手数料の安いものが「ゼロコース」になります。

約定代金手数料
約定代金にかかわらず0円
楽天証券現物取引手数料から引用

同じく、SBI証券でも「0革命」というプランがあり、楽天証券同様に手数料は0円となっています。

これらと比較すると手数料が高いと感じるのは自然なことですね。

実は知らない?野村證券のほうが安い手数料がある

前述したとおり、野村證券の手数料は明らかに高く、ネット証券と比較すると選ぶ必要がないように思えます。

それでも僕が野村證券をメインで使っている理由は「信用取引」です。

基本は、自分の投資判断に合致した銘柄を現物で持ち続ける投資手法をとっていますが、それと合わせて信用取引も利用しています。

現物だけだと資金の問題もありますし、思いがけない急落があった時に、拾っておきたい時もありますからね。

信用取引はレバレッジですから、安易に使うのは危険なことに変わりはありませんからね。

野村證券の信用取引手数料

オンラインサービスでのお取引
1注文約定代金にかかわらず1注文あたり
手数料524円
野村證券信用取引手数料から引用

同一日に同一銘柄、同一取引(新規・返済、売り買いの別)について複数の注文が約定(成立)した場合、1注文として手数料を計算します。ただし、制度信用取引と一般信用取引は別取引として計算します。

野村證券の信用取引手数料は上述の通り、1注文あたり524円(往復1048円)かかりますが、同日中であれば同銘柄に限り手数料は1注文分で済みます。

実はここだけ見ると、楽天証券やSBI証券の方が安い(手数料0円)ため、野村證券を使う意味はないように思えます。

野村證券の信用取引金利

信用取引を利用するにあたって、もう一つ気にするべきコストが「金利」です。

信用取引は、いわゆる借金で行う取引なので、借りたお金には金利がかかります。この金利は各証券会社で違いますが、実は野村證券がダントツで安いのです。

野村證券から引用

主要ネット証券との比較はこちら。

証券会社信用金利
楽天証券2.80%
SBI証券2.80%
野村證券0.85%

この表を見て貰えば一目瞭然ですが、野村證券の信用金利が突出して安いのが分かります。

野村證券から引用

これだけの金利差があると、かかってくるトータルコストも大きくなってきます。

野村證券では、注文ごとの手数料がかかりますが、同一日・同銘柄の注文を全てひっくるめると、手数料を安く抑えることができそうです。

野村證券と他社の信用金利シュミレーション

実際にシュミレーションしてみましょう。

まずは10万円分の取引をした場合、以下のような手数料(金利)がかかります。野村證券は往復で1024円がかかる想定で計算しています。

日数楽天証券手数料(円)野村証券手数料(円)
17.6712328771050.328767
215.342465751052.657534
323.013698631054.986301
430.684931511057.315068
538.356164381059.643836
646.027397261061.972603
753.698630141064.30137
861.369863011066.630137
969.041095891068.958904
1076.712328771071.28767

                      :

1921472.8767121495.123288
1931480.5479451497.452055
1941488.2191781499.780822
1951495.8904111502.109589
1961503.5616441504.438356
1971511.2328771506.767123
1981518.904111509.09589
1991526.5753421511.424658

上の表を見るとわかる通り、損益分岐点は197日目になります。それ以上保有するつもりなら、野村證券を利用するほうが、最終的なコストは安くなりそうです。

頻繁に回転売買をしたい場合は、コストがかさみますので、ほかのネット証券を使ったほうがいいですよ。

つぎは少しまとまった金額で100万円の取引をする場合を見てみましょう。

同じようにように表にしてみるとこんな感じになります。

日数楽天証券手数料(円)野村証券手数料(円)
176.712328771071.287671
2153.42465751094.575342
3230.13698631117.863014
4306.84931511141.150685
5383.56164381164.438356
6460.27397261187.726027
7536.98630141211.013699
8613.69863011234.30137
9690.41095891257.589041
10767.12328771280.876712

                          :

191457.5342471490.465753
201534.2465751513.753425
211610.9589041537.041096
221687.6712331560.328767
231764.3835621583.616438
241841.095891606.90411
251917.8082191630.191781
261994.5205481653.479452
272071.2328771676.767123
282147.9452051700.054795
292224.6575341723.342466
302301.3698631746.630137

今回のシュミレーションの場合、損益分岐点は20日目になりました。当たり前のことですが、借りた金額が高いほど、金利も高くなります。1回の取引金額が大きくなればなるほど、野村證券のほうが有利な計算になります。

1株2000円くらいのものだと、100万円÷2000=500株くらいの注文を一度にする人なら、野村證券をお勧めします。

ある程度の単位で注文する人は、野村證券の信用取引のほうがコストがかからないと思います。

個人的にはあまり高頻度の売買はせず、現物同様持ち続けるほうが多いので、少額でも野村證券を使ってしまうことがあります。

野村證券の手数料が高いと感じる人におすすめの代替案

手数料を抑えるために株式移管を利用する

それでも毎回の手数料が積み重なると、積み重なる手数料もバカにはなりません。僕もたまにやっているのは、楽天証券との併用です。前述のとおり、楽天証券の「ゼロコース」であれば、現物・信用どちらの取引も手数料が無料です。そのため、少し手間はかかりますが「株式移管」を利用すれば手数料を抑えて株を購入することができます。

「株式移管」は株を証券会社間で移動することですが、各証券会社によって手数料や手続き方法が違います。その中で一番手間が少なく、コストもかからない証券会社が「楽天証券」です。

楽天証券の株式移管はネットから手続きを行うことができ、手数料も無料です。

楽天証券から引用

マイメニューの株式移管から手続きを行うことができます。

移管の手続きは、手続後、通常4~5営業日かかります。

すこし面倒ですが、この方法を使えば、手数料無料で野村證券で株を保有することができます。そして、その株を代用証券として、信用取引に利用することができます。

野村證券へ株式移管するために必要な情報

株式移管するためには、あらかじめ移管先の情報が必要なので、先に集めておきましょう。

株式移管に必要なもの
  • 証券会社名
  • 支部店名
  • 証券会社住所
  • 機構加入者コード
  • 加入者口座コード
機構加入者コード1240060
加入者口座コード(21桁の番号)「1240060 XXXXXXX XXXXXXX」
所在地取引店の住所
口座情報の例

僕も株式移管をしようとした時に、支部店名と住所のところで困ったのですが、野村証券の支部店名は「ネット&コール支店」、住所は「東京都中央区」で移管できたので、それで問題ないかと思います。

その他の情報は、【オンラインサービス】→【口座情報】から確認することができますので、各自チェックしてみてください。

あとは数日待てば野村証券に移管することができます。

野村証券の手数料は高すぎるのか?のまとめ

今回はあまりメインで使われていない証券会社である野村證券を紹介しました。コツコツ少額で取引を始めるには不向きですが、ある程度まとまった金額を取引する際には選択肢の1つとしていいかと思います。

「信用取引は悪」だという考えがスタンダードみたいですが、ようは使い方だと思います。使える手段は知っておくことに損はありませんので、自分の投資スタイルに合うのであれば、ぜひ参考にしてみて下さい。

僕も参考にさせていただいているテンバガーXさんの書籍です。

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この記事を書いた人

価格<価値の企業に投資
長期保有で複利の恩恵を受ける
PERやPBRによらない投資判断

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