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フィットイージーのビジネスモデルと今後の将来性を探る

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今回は、2024年7月23日に上場した、フィットネス&アミューズメント事業を行う、「フィットイージー」について記事にしたいと思います。

レッドオーシャンであるフィットネス業界に参入した「フィットイージー」

この企業の事業内容と今後の事業展開について考察していきます。

目次

フィットイージーはどんな企業なのか?

フィットイージーの基本情報

フィットイージーの企業情報を表形式でまとめました。

項目内容
企業名フィットイージー株式会社
設立2018年7月
本社所在地岐阜県岐阜市本町三丁目2番地1
代表者代表取締役社長 國枝 晋吾
事業内容24時間営業アミューズメント型フィットネスクラブの運営
店舗数158店舗 ※2024年5月末時点
主要エリア東海地方(愛知・岐阜・三重)を中心に全国展開
従業員数258名 ※2024年5月31日時点(パート・アルバイト含)
特徴顔認証システム、シミュレーションゴルフ、コワーキングスペース等の導入
ターゲット客層幅広い年齢層、特にファミリー層やエンターテイメントを求める人
成長戦略フランチャイズ展開の強化、全国への店舗拡大

フィットイージーは、24時間営業のアミューズメント型フィットネスクラブを全国展開している企業です。特に東海地方を中心に急速に店舗数を増やし、会員数も右肩上がりで成長しています。

フィットイージーのビジネスモデル

フィットイージーのビジネスモデルを分かりやすく説明すると、「気軽に楽しめる24時間フィットネスを全国に広げる」ことを軸にした仕組みです。以下にそのポイントをシンプルにまとめます。

フィットイージー決算説明資料より引用

24時間いつでも使えるフィットネス

  • 特徴: 年中無休で24時間営業。
  • 狙い: 仕事や生活の都合で決まった時間に通えない人でも、自分のペースで運動できるようにする。
  • 例: 夜勤明けの人や早朝派、家族の時間に縛られない人がターゲット。

アミューズメント要素で差別化

  • 特徴: ただのジムじゃなく、シミュレーションゴルフやバーチャルスタジオ、コワーキングスペースを導入。
  • 狙い: 「運動だけじゃない楽しさ」を提供して、普通のジムに飽きた人や初心者も引き込む。
  • 例: ゴルフ好きなお父さんや、リモートワーク中に運動したい人が来店。

低コスト運営+フランチャイズで拡大

  • 特徴: 顔認証や熱感知システムでスタッフを最小限(平均1.5人)にし、フランチャイズで店舗数を増やす。
  • 狙い: 人件費を抑えて運営コストを下げつつ、全国にどんどん出店。
  • 例: 東海地方で成功したモデルを、他の地域でもオーナーに任せて広げる。

月額制で安定収入

  • 特徴: 会員が毎月定額を払う「サブスクリプション型」
  • 狙い: 一度入会すれば毎月収入が入る安定した仕組みで、長期的なお客さんを確保。
  • 例: 月6,000円〜8,000円程度で気軽に入れる料金設定。

ビジネスモデルの流れ

  1. お客さんが来る: 低価格と楽しさで幅広い人を集める。
  2. 会員になる: 月額制で継続利用を促す。
  3. コストを抑える: テクノロジーで運営を効率化。
  4. 店舗を増やす: フランチャイズで全国展開。

「安くて楽しい24時間ジムを、賢く広げて安定稼ぎ」がフィットイージーのビジネスモデルです。普通のジムとは違い、「楽しさ」と「便利さ」を武器に、お客さんも店舗数も増やしていく戦略が強みですね。

フィットイージーの生み出す付加価値とは?

フィットイージーはいわゆる24時間型のフィットネスクラブの運営になるので、競合他社も多くレッドオーシャンといわれる業界になります。

その業界で後発組であるフィットイージーの強みはどこにあるのでしょうか?

フィットイージー決算説明資料より引用

1つ目のポイントは、「アミューズメントコンテンツ」です。

最近では競合他社である、チョコザップも取り入れている分野ですね。

競合と違う点は、運動(スポーツ)と直結したアミューズメントが多いということです。そもそもフィットネスがビジネスの根幹にあるため、単なるアミューズメントというよりは、しっかりスポーツが上達したい人向けのものになるのではないかと思っています。

野球やゴルフ・テニスなどを楽しみながら、もっと上達したい。そのためにトレーニングをする。こういった流れがシームレスに行われるでしょう。

2つ目のポイントは「AI」です。

フィットイージー決算説明資料より引用

AIの導入例で、全国のフィットイージーに顔認証で入場できるというものがありますが、それはあくまで一例であって本質的なものではありません。

一番重要なものは「データの蓄積」です。

フィットネスクラブの運営にAIを導入することにより、蓄積されたデータを元に個人に合った食事プランやトレーニングプランを提案することが可能になります。

フィットイージー決算説明資料より引用

また、AIパーソナルトレーニングが実現することにより、今までの課題(不便・非効率など)が解消できると考えられます。

24時間ジムの「不」と「非」

24時間ジムに入会する人の目的はなんでしょうか?

「カッコよくなりたい」「キレイになりたい」「筋肉をつけたい」「健康診断でひっかかったから」「運動不足だから」「痩せたい」など様々な理由があると思います。

このように各々違った目的があり、各フィットネス企業はその目的に合わせた特化型のビジネスを展開しています。

つまり自分の目的に合ったジムを探さないと、自分の目的は果たせない可能性があります。

これが利用者側の不便(面倒)です。

ジムの経営側も多岐に渡った利用者の要望に応えることは難しく、ペルソナを設定することにより、もともと対象ではない利用者を切り捨てている可能性があります。(対象ではない利用者の顧客満足度は低くなり、解約率の増加につながると考えられる)

それぞれの目的に合った専門者・指導者を用意するのは困難であり、コストもかかります。(非効率・非現実的

少なくともこういった課題がある現状で、客側と企業側どちらもwin-winな関係で解決できるものが、まさにフィットイージーの取り組もうとしている「AI」の利用だと思います。

利用者は、どうやってトレーニングしていいか分からない、食事の相談がしたい、トレーニングの記録を付けるのが面倒などの問題を全て解決できる可能性があります。

すべての人に最適なオーダーメイドトレーニングが提供されることで、顧客満足度は上がりジムの解約率の低下につながります。

蓄積したデータとエビデンスを元にした科学的トレーニングの提供こそがフィットイージーの強みだと考えられます。

フィットイージーの今後の可能性

フィットイージーを他社と比較した場合、突出してROICが高いことが特徴です。

マネックス証券銘柄スカウターから引用

ROICがここまで高いということは、それだけ効率的に経営できていることであり、他社にはない優位性(堀)があると考えられます。

フィットネス事業というレッドオーシャンに後から進出したからには、そこで勝ち残る戦略があるように感じてなりません。

出店コストの低さ

決算説明動画で仰っていましたが、店舗を作る際のコストが他社に比べて安いという事実があるようです。

その理由は、居抜き物件を狙うこと。そして、改装などの工事も自社で行なっているようです。

そのおかげで外注するより、工事費用を抑えることができるため、出店コストが低くなっているようです。

ちなみに出店に必要な資材は海外から仕入れているようですが、ある程度まとめて仕入れてストックしておくことで、為替の影響を受けにくくしているようです。

フランチャイズ経営によるロイヤリティ

フィットイージーは、本部が経営する直営店の数が少なく、FC店の割合が高いビジネスを行っています。

これにより、会社自体が負担するコスト(主に人件費や家賃)がかからない経営が可能になります。

フィットイージーは省人化経営が可能なフランチャイズノウハウを提供することで、ロイヤリティ報酬を受け取ることができます。

コンビニと同じようなビジネスモデルですね。

この2点により、高いROICを維持した経営ができていると考えられます。

出店地域

フィットイージーは岐阜県を中心とする東海地方がメイン商圏となっています。

フィットイージーは毎月主要KPIとして出店状況を開示しています。

毎月着実に店舗を増やしていますが、まだまだ東海地方がメインな状況が続いています。

これからはまだまだ店舗数の少ない関東エリアに出店していくとのことです。

関東エリアの出店が増えてくれば、さらに売上を伸ばすことに繋がるだけでなく、様々なビジネスと組むことで新たなビジネスモデルが開けてくるのではないかと考えています。

人口が多く、外国人も多く住む関東エリアに出店が進めば他業種とのシナジーも生まれ、新たなビジネスチャンスを掴めるかもしれません。

他業種とのシナジー効果

まだまだ当分先の話にはなると思いますが、フィットイージーは個人的にはいろいろな業種やサービスと組み合わせて事業が拡大できる可能性を秘めた企業だと感じています。

医療分野

最近の適時開示では、医療法第42条施設として、メディカルフィットネス店舗を初出店しました。

医療法第42条施設とは、医療法人が病院や診療所の附帯業務として運営する、疾病予防のための運動施設です。通称「疾病予防運動施設」とも呼ばれ、医学的要素を取り入れたフィットネス施設の一種です

特徴
  • 厚生労働大臣が定める基準に適合した診療所を附置している
  • 医師の運動処方のもと、専門スタッフによる運動療法を提供している
  • 身体機能の測定や運動指導、セルフトレーニングの指導などを行っている
  • 病院や診療所と連携しているため、必要に応じて迅速に医療機関を受診することもできる

医療上必要な運動になるので、医療費控除の対象にもなります。

現在の日本は先進国の中でも、かなりの高齢社会になっています。この流れはもう止めることができません。そして、膨れ上がる医療費の問題は深刻なっています。

現状は、病気の予防より治療をするほうが自己負担が安いので、病気の予防に注目が向きませんが、今後の自己負担率の上昇や一部の治療の保険適応外などは十分に考えられます。

そこで、早くから医療と運動を連携しているフィットイージーはメディカルフィットネス分野のパイオニアになるだろうと確信しています。

医療と運動のデータを早い時期から集めておくことに意味があります。

また、この事業が本格的になれば、クリニック併設のジムを展開することも可能でしょうし、専門のクリニックの誘致・人材の斡旋などのビジネスも可能になるかもしれません。

外食・宅食分野

食事の分野もフィットネス事業に大きく関わっています。

そもそもボディメイクをする場合、運動より重要になってくるのが「食事」です。科学的なデータを元にした食事の設計。レシピの提案など、AIデータを利用したフィットイージーだったら可能になってくると思います。

AIデータを元にしたサービスの提供は、専用アプリなどを用いて顧客に提供すればいいと思いますし、必要なサプリメントなども提案することができるでしょう。

その際は、自社製品をお勧めすることで高い利益率を確保することが可能です。

食事・レシピの提案も動画で紹介したり、そもそも料理ができない人は宅食サービスなどと連携すれば、毎月のサブスク収入が確保できるでしょう。

このように、食事と栄養にかかわったビジネス展開もできるのが強みだと感じています。

スポーツ・アミューズメント分野

アミューズメントとフィットネスを融合した事業形態ですから、アミューズメント業界とも連携・発展が考えられます。

直接的に他のスポーツ企業と連携するかはわかりませんが、スポーツチームとの提携は発表しています。

こういったプロチームとパートナーシップを締結することにより、今後スポーツの指導者・コーチとしてフィットイージーに選手を向かい入れる可能性もあります。

そうなれば、顧客はより専門的な指導を受けることができるので、顧客満足度は高くなるのではないでしょうか?

また、学生や学校と連携すれば、部活やスポーツチームのより専門的な指導などもできそうですよね。

アミューズメントに関しては、別業態の「ラウンドワン」が海外進出したことで話題になりましたが、フィットイージーもフィットネスジムとアミューズメントの融合した業態をフィットネスジム先進国である海外に逆輸入して成功する可能性もあると思っています。

フィットイージーのビジネスモデルのまとめ

今回はIPOして間もない「フィットイージ」ーの事業内容と今後の可能性について記事にしてみました。

できるだけ事実に基づいた内容で記事を書いたつもりですが、個人的な願望や予測なども含んでいます。もし投資する場合は、必ずご自身で情報の真偽を確認してからご判断ください。

他にも企業分析した記事がありますので、こちらも読んでいただけると嬉しいです。

こちらの本がおすすめです。

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この記事を書いた人

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